「大型犬と暮らすのが夢だった」と話すMさん。
編集者としてのキャリアをリタイヤしたのち、家族の一員となったハスキーの
グーグーとの心地よいひとときのために選んだのは、清々しい富士のふもとの高原でした。

都心との二拠点生活 自然を身近に愛犬と過ごす

オーナーズインタビュー
▲LDK+ウッドデッキのコンパクトハウス

森の中に佇む、Mさんと愛犬達が過ごす12坪のコンパクトハウス。「雑誌や書籍の編集者として働き、東京に住んでおよそ50年。リタイヤを機に、〝グーちゃん〞をむかえて、ずっと夢だった大型犬との暮らしをスタートすることにしました。けれど、散歩の環境をはじめ、都会で大型犬を飼うのってとても難しいんです。特に問題だったのが、東京の夏。犬は気温26℃以上になると体温コントロールができなくなるといわれています。無理をさせてしまうと、寿命が短くなる…。いくら朝夕は涼しいといっても限度がありますからね。運動量確保と夏の暑さの悩みは常につきまといました」。

 環境面での選択肢を増やすことを考えはじめたのは、2年前から。その後、2020年の春先にコロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発令でいつも散歩をしていた公園が閉鎖されてしまうと、本格的に動き出します。
「蓼科、軽井沢、那須、箱根…。涼しいところを探しました。そういったリゾート地には、空きになっているバブルの頃の別荘がいくつもありましたが、水周りが使えないなど、すぐに住みはじめることができる状態ではなかった。この富士山麓エリアは犬友にドッグランの写真を見せてもらったことをきっかけに知り、惹かれました」。

 東京に住まいを持ち、現在は二拠点の暮らし。2匹の愛犬とストレスなく過ごすことができる富士桜高原での暮らしと、検診や知人とのコミュニケーションなどに費やす都心での時間。「賑やかさを離れてひとりで過ごす時間も好き」というMさんは、バランスの良いライフスタイルを手に入れています。

ここに来て、初めて気づくこと

住まいはリビングを中心に寝室とキッチンが隣接。ウッドデッキに面したリビングの窓は大開口とし、室内外が自然につながる開放感と、森の木々の借景も気持ちがいい。リビングの一部はガラス屋根を採用しており、日中は自然光がたっぷりと注ぎます。

「広すぎず、狭すぎす。愛犬達と暮らすには、ちょうといい大きさですよ。現在は東京とこちらを行ったり来たりしていますが、ここは居心地がとても良く、ずっと滞在していたくなります。暮らしはじめて、初めて気付いたこともたくさん。森の匂いや季節の風の違い、散歩の途中で出逢う植物も面白く、摘み取ってくることもあります。今は庭の整備に夢中。焚き火の楽しさにも目覚めました」

心配していた冬の寒さもクリアし、グーちゃんに雪原を走らせてあげるという夢も叶えられたと聞かせてくれるMさん。
都心とはまったく異なる環境での愛犬と伸び伸びと過ごす時間と新しい暮らしに、この先も発見を重ねていくのでしょう。